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【第3回】 自動車とITの融合 ~自動運転実用化に向けたIT企業の参入~


 ボルボカーズ傘下の高性能自動車を開発するポールスターは、中国で開幕した北京モーターショー2020において、コンセプトカーの『プリセプト』(Polestar Precept)の量産化を決定したことを、926日に発表しました。

 

 プリセプトの特徴は、その洗練されたデザインだけでなく、安全センサー等の先進運転支援システムの搭載や、自動運転用LiDARセンサーが取り付けられている点など、次世代自動車と呼ぶにふさわしい最先端の技術が惜しげもなく使用されている点です。

 

 特に注目したいのは、グーグル社の「Android」を搭載した次世代のヒューマン・マシン・インターフェイスです。アンドロイドプラットフォーム、「アンドロイド・オートモーティブOSAndroid Automotive OS)」を車載化し、グーグル・マップや自動車用アプリなどのサービスをリアルタイムで更新できるようになります。

 グーグル社といえば、2009年に自動運転技術の開発をスタートして以来、公道での実走行テストは軽く800kmを超えています。グーグル社の自動運転自動車の開発プロジェクトは「Waymo(ウェイモ)」と呼ばれ、現在はAlphabet社傘下として独立した企業として活動しています。

 

 自動運転の為には、私たちが運転する際に行っている「認知」「判断」「操作」を自動的に且つ瞬時に実行する必要があります。周囲の情報収集し、収集した膨大な情報を分析・認識し、動作を決定し、制御する一連の処理は、IT業界が得意とする分野です。

 

 スマートフォンが私たちの生活にかかせないツールになったように、自動運転自動車がITツールの1種として、当然のように公道を走る時代はすぐそこまで来ています。